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@@ -62,32 +62,37 @@
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\IEEEauthorblockA{\IEEEauthorrefmark{1}関西学院大学 工学部 情報工学課程}
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\IEEEauthorblockA{\IEEEauthorrefmark{1}関西学院大学 工学部 情報工学課程}
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\IEEEauthorblockA{\IEEEauthorrefmark{2}関西学院大学 大学院理工学部研究科 情報工学専攻}
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\IEEEauthorblockA{\IEEEauthorrefmark{2}関西学院大学 大学院理工学部研究科 情報工学専攻}
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% 通常は連絡先Emailを記載します
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|
% 通常は連絡先Emailを記載します
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- % \IEEEauthorblockA{Email: \IEEEauthorrefmark{1}shun.yamachika@example.com, \IEEEauthorrefmark{2}\{y.kakihara, s.inoue, h.ohsaki\}@example.com}
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+ % \IEEEauthorblockA{Email: \IEEEauthorrefmark{1}shun@lsnl.jp, \IEEEauthorrefmark{2}\{yuto, shota, ohsaki\}@lsnl.jp}
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}
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}
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%% \renewcommand{\baselinestretch}{0.005}
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%% \renewcommand{\baselinestretch}{0.005}
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+\usepackage[T1]{fontenc} % bibの特殊な文字を読みこむためのやつ
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|
\begin{document}
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|
\begin{document}
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\setlength{\parskip}{0.2pt} % 段落間の余白をゼロにする
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|
\setlength{\parskip}{0.2pt} % 段落間の余白をゼロにする
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\maketitle
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\maketitle
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-
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% --- 概要 (Abstract) ---
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% --- 概要 (Abstract) ---
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-% 論文の冒頭には概要を記述します。
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-\begin{abstract}
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-本研究では、量子ネットワークにおけるリンク忠実度計測の問題に対し、通信経路ごとの重要度(通信需要)を考慮した新たな資源配分手法を提案する。従来のリンク品質推定問題を発展させ、各経路の重要度と推定忠実度の積で定義される「価値」の総和を最大化する問題として定式化する。この問題に対する効率的な近似解法として、広域的な探索と集中的な活用から成る二段階貪欲法を提案する。シミュレーション評価を通じて、提案手法が限られた測定資源の下で、通信需要を考慮しない従来のアプローチに比べてネットワーク全体の総価値を効率的に向上させることを示す。
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+\begin{abstract} % 最後に直します。
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+本研究では、量子ネットワークにおけるリンク忠実度計測の問題に対し、通信
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+経路ごとの重要度(通信需要)を考慮した新たな資源配分手法を提案する。従
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+来のリンク品質推定問題を発展させ、各経路の重要度と推定忠実度の積で定義
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+される「価値」の総和を最大化する問題として定式化する。この問題に対する
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|
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+効率的な近似解法として、広域的な探索と集中的な活用から成る二段階貪欲法
|
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|
+を提案する。シミュレーション評価を通じて、提案手法が限られた測定資源の
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+下で、通信需要を考慮しない従来のアプローチに比べてネットワーク全体の総
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|
|
+価値を効率的に向上させることを示す。
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|
+
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|
|
\end{abstract}
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\end{abstract}
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% --- キーワード ---
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% --- キーワード ---
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-% 概要の下にキーワードを記述します。
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\begin{IEEEkeywords}
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|
\begin{IEEEkeywords}
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|
|
量子ネットワーク, 忠実度計測, 資源配分, 通信需要, 貪欲法
|
|
量子ネットワーク, 忠実度計測, 資源配分, 通信需要, 貪欲法
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|
\end{IEEEkeywords}
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|
\end{IEEEkeywords}
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|
\section{はじめに}
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|
\section{はじめに}
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-
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%% ### トピックセンテンス
|
|
%% ### トピックセンテンス
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|
%% 1. 量子コンピュータ間を接続する量子ネットワークは、次世代の通信基盤として大きな期待が寄せられている。
|
|
%% 1. 量子コンピュータ間を接続する量子ネットワークは、次世代の通信基盤として大きな期待が寄せられている。
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|
@@ -105,7 +110,6 @@
|
|
|
%% 13. 具体的には、各通信経路の重要度と推定忠実度の積をその経路の価値と定義し、ネットワーク全体の総価値を最大化する問題として定式化する。
|
|
%% 13. 具体的には、各通信経路の重要度と推定忠実度の積をその経路の価値と定義し、ネットワーク全体の総価値を最大化する問題として定式化する。
|
|
|
%% 14. この問題に対し、本稿では効率的な近似解法として、広域的な探索と集中的な活用から成る二段階貪欲法を提案する。
|
|
%% 14. この問題に対し、本稿では効率的な近似解法として、広域的な探索と集中的な活用から成る二段階貪欲法を提案する。
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-
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量子コンピュータ間を接続する量子ネットワークは、次世代の通信基盤として
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|
量子コンピュータ間を接続する量子ネットワークは、次世代の通信基盤として
|
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|
大きな期待が寄せられている。複数の量子プロセッサを大規模に連携させる分
|
|
大きな期待が寄せられている。複数の量子プロセッサを大規模に連携させる分
|
|
|
散量子計算や、物理的な限界を超えたセンシング精度の実現など、単一の量子
|
|
散量子計算や、物理的な限界を超えたセンシング精度の実現など、単一の量子
|
|
@@ -176,6 +180,20 @@ LinkSelFiE が持つ効率的なリンク特定能力を、通信需要に基づ
|
|
|
単に最も忠実度の高いリンクを見つけるだけでなく、それがどれだけ重要かと
|
|
単に最も忠実度の高いリンクを見つけるだけでなく、それがどれだけ重要かと
|
|
|
いう側面も同時に考慮するものである。
|
|
いう側面も同時に考慮するものである。
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|
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|
|
|
|
|
|
|
+本研究の問いは以下のとおりである。
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|
+\begin{itemize}
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+
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+\item 限られた測定資源の制約下で、各通信経路の重要度を考慮した効率的な
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|
+ リンク忠実度の測定戦略は、いかにして設計できるか。
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+
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+\item 広域的な品質の初期推定と、有望なリンクへの集中的な資源投下を組み
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+ 合わせることで、測定効率を最大化する準最適な配分手法を構築できるか。
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+
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|
|
+\item 通信需要と推定忠実度の積として定義されるネットワーク全体の総価値
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+ を、提案手法によって最大化し、システムの全体性能を向上させられるか。
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+
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+\end {itemize}
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|
|
|
+
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|
この問題に対し、本稿では効率的な近似解法として、広域的な探索と集中的な
|
|
この問題に対し、本稿では効率的な近似解法として、広域的な探索と集中的な
|
|
|
活用から成る二段階貪欲法を提案する。本手法は、まず限られた資源で全リン
|
|
活用から成る二段階貪欲法を提案する。本手法は、まず限られた資源で全リン
|
|
|
クを大局的に調査し、次いで得られた知見に基づき、価値が高いと見込まれる
|
|
クを大局的に調査し、次いで得られた知見に基づき、価値が高いと見込まれる
|
|
@@ -187,226 +205,415 @@ LinkSelFiE が持つ効率的なリンク特定能力を、通信需要に基づ
|
|
|
本研究の貢献は以下のとおりである。
|
|
本研究の貢献は以下のとおりである。
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|
|
\begin{itemize}
|
|
\begin{itemize}
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|
|
|
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|
|
-\item 従来の物理的なリンク品質の推定問題を発展させ、通信需要という経済
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- 的・運用的な価値尺度を導入した、より実践的なネットワーク総価値最大化
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|
|
- 問題を初めて定式化した。
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|
|
+\item 通信需要を定量的な重みとして導入し、各通信経路の重要度と忠実度の
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|
|
+ 積をその経路の価値と定義することで、ネットワーク全体の総価値を最大化
|
|
|
|
|
+ する新たな資源配分問題として定式化した。
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|
|
|
|
-\item 上記の問題に対する効率的な近似解法として、二段階貪欲法を提案した。
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|
- これは、探索と活用を明確に分離することで、大規模ネットワークにおいて
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|
|
|
|
- も実用的な計算時間で高品質な解を得ることを可能にする。
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|
|
|
|
|
+\item 近似解法として全リンクを低コストで探索する第一段階と、価値が高い
|
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+ と見込まれるリンク群に資源を集中させる第二段階から成る、二段階貪欲法
|
|
|
|
|
+ を提案した。
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|
|
|
|
|
-\item 量子ネットワークシミュレータを用いた評価実験を通じて、提案手法が、
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|
- 通信需要を考慮しない既存のアプローチに比べて、ネットワーク全体の総価
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|
|
- 値を大幅に向上させることを定量的に明らかにした。
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|
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|
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|
|
+\item シミュレーション評価により、提案手法が既存手法と比較して常に高い
|
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|
|
|
+ 総価値を達成し、特にネットワーク規模が大きく資源制約が厳しい状況にお
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|
|
|
+ いて、その優位性が顕著になることを定量的に実証した。
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|
|
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|
\end {itemize}
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|
\end {itemize}
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|
|
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|
-本稿の構成は以下の通りである。
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|
-%% 2章で本研究が対象とする問題モデルと目的関数を定義する。3章では提案
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|
|
|
-%% 手法である二段階貪欲法の詳細を述べる。4章でシミュレーション評価の結
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|
|
|
-%% 果を示し、提案手法の有効性を考察する。最後に5章で結論と今後の課題を
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|
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-%% 述べる。
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|
|
+本稿の構成は以下の通りである。 % 最後に直します
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|
+%% 2章で本研究の関連研究について述べる。3章では通信需要を考慮したリン
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|
|
+%% ク忠実度計測問題を定式化する。4章では提案手法二段階貪欲法(Two-Phase
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|
+%% Greedy)について述べる。
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|
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+
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|
+\section{関連研究}
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|
|
|
+%% 量子ネットワークにおける高信頼な通信の実現には、その構成要素である量子
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|
|
+%% ゲートや物理リンクの品質を正確に評価するベンチマーキング技術が不可欠で
|
|
|
|
|
+%% ある。
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|
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+
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|
|
|
|
+%% 個々の量子ゲートの品質評価手法として最も広く用いられているのが、ランダ
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|
+%% ム化ベンチマーキングである。
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+
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|
|
|
|
+%% ランダム化ベンチマーキングは強力な手法である一方、その適用範囲や推定精
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|
+%% 度には理論的な限界も存在することが知られている。
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|
+
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|
|
+%% ゲートレベルの評価に加えて、近年ではネットワーク全体の性能を評価するた
|
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|
+%% めのベンチマーキング手法も提案されている。
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|
|
|
+
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|
|
|
|
+%% 本研究が取り組むリンク忠実度推定は、多腕バンディット問題として定式化で
|
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|
|
+%% きる。
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|
|
|
|
+
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|
|
|
|
+%% 多腕バンディット問題の枠組みを量子ネットワークのリンク選択に応用した先
|
|
|
|
|
+%% 行研究として、本研究の直接的な基礎となる LinkSelFiE が存在する。
|
|
|
|
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+
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|
|
|
|
+%% LinkSelFiE の問題設定をさらに発展させ、ネットワーク全体の経路選択へと
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|
+%% 応用範囲を広げる研究も活発に進められている。
|
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|
|
+
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|
|
|
|
+%% これらの研究の理論的基盤である多腕バンディット問題、特に最適アーム識別
|
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|
|
|
+%% は、それ自体が機械学習分野の重要な研究課題として深く研究されてきた。
|
|
|
|
|
+
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|
|
|
|
+%% 本研究におけるシミュレーション評価では、量子ネットワークの研究開発で広
|
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|
|
+%% く利用されている NetSquid シミュレータを用いた。
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|
+
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|
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|
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+本章では、本研究の背景となる関連研究を概観する。まず、量子システムの品
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|
|
+質評価手法であるベンチマーキング技術について述べ、特にランダム化ベンチ
|
|
|
|
|
+マーキングとその発展に焦点を当てる。次に、本研究の核心であるリンク・経
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|
|
|
|
+路選択問題に関する近年の動向を解説し、最後に、これらの研究の理論的基盤
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|
|
+である多腕バンディット問題に関する基礎的な研究を紹介する。
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|
|
+
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|
|
|
|
+量子ネットワークにおける高信頼な通信の実現には、その構成要素である量子
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|
|
+ゲートや物理リンクの品質を正確に評価するベンチマーキング技術が不可欠で
|
|
|
|
|
+ある。量子状態はノイズに対して極めて脆弱であるため、通信や計算の過程で
|
|
|
|
|
+発生するエラーの大きさを定量的に把握し、制御することが極めて重要となる。
|
|
|
|
|
+このため、システムの性能を客観的な指標で評価するための標準的な手法が長
|
|
|
|
|
+年にわたり研究されてきた。
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|
|
+
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|
|
|
|
+個々の量子ゲートの品質評価手法として最も広く用いられているのが、ランダ
|
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|
|
|
+ム化ベンチマーキング (Randomized Benchmarking, RB) である
|
|
|
|
|
+\cite{Knill2008_RB}。RBは、ランダムに選ばれた一連のクリフォードゲート
|
|
|
|
|
+を量子ビットに適用し、その最終状態を測定することで、ゲート操作全体の平
|
|
|
|
|
+均エラー率を推定する。この手法の利点は、状態準備や測定におけるエラー
|
|
|
|
|
+(State Preparation and Measurement error, SPAM error) の影響を受けにく
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|
|
|
|
+く、特定のゲートセットに対する忠実度を頑健に評価できる点にある。RBは単
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|
|
|
|
+一量子ビットゲートの評価手法として確立されており、多量子ビットシステム
|
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|
|
|
+への拡張も研究されている \cite{Helsen2017_MultiqubitRB}。
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+
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|
+しかし、ランダム化ベンチマーキングは強力な手法である一方、その適用範囲
|
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+や推定精度には理論的な限界も存在することが知られている。例えば、RBが正
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|
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+確なエラー率を与えるためには、ノイズが時間に依存せず、かつゲートに依存
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+しないといった仮定が必要となる \cite{Epstein2014_LimitsRB}。現実のデバ
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|
|
+イスでは、クロストークや時間的に変動するノイズなど、これらの仮定から外
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|
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+れるエラー源が存在するため、RBによる評価結果の解釈には注意を要する。
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+
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+ゲートレベルの評価に加えて、近年ではネットワーク全体の性能を評価するた
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+めのベンチマーキング手法も提案されている \cite{Helsen2023_NB}。ネット
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|
|
|
+ワークにおいては、個々のゲート品質だけでなく、ノード間のリンク品質やも
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|
|
|
+つれ配送プロトコルの性能が重要となる。Helsenらが提案した手法は、ネット
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|
|
|
|
+ワーク全体を一つのブラックボックスと見なし、特定のタスクを実行させた際
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|
|
|
+の性能を評価することで、より実用に近い形での品質評価を可能にする。これ
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|
|
|
+は、単一コンポーネントの評価から、システム全体の機能評価へと視点を広げ
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|
+る重要な取り組みである。
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+
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|
+本研究が取り組むリンク忠実度推定は、限られた測定資源を用いて最も品質の
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+高いリンクを特定する問題であり、不確実性の下での逐次的意思決定問題であ
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|
|
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+る多腕バンディット問題 (Multi-Armed Bandit, MAB) として定式化できる。
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|
|
|
|
+MABは、未知の確率分布に従う報酬を生成する複数の選択肢(アーム)の中か
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|
|
|
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+ら、総報酬を最大化するように試行を繰り返す問題の総称である。リンク忠実
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|
|
|
|
+度推定の文脈では、各リンクがアームに、忠実度の測定がアームを引く行為に、
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|
|
|
|
+そして測定結果が報酬に相当する。
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|
|
|
+
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|
|
|
+多腕バンディット問題の枠組みを量子ネットワークのリンク選択に応用した先
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|
|
|
+行研究として、本研究の直接的な基礎となる LinkSelFiE が存在する
|
|
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+\cite{Liu24:INFOCOM}。LinkSelFiEは、複数の並列リンクの中から最も忠実度
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|
|
|
+の高いリンクを効率的に特定するためのアルゴリズムである。有望なリンクを
|
|
|
|
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+適応的に追加測定し、品質の低いリンクの測定を早期に打ち切ることで、全体
|
|
|
|
|
+の測定コストを大幅に削減することを可能にした。しかし、LinkSelFiEの問題
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|
|
+設定は単一のノードペア間に限定されており、ネットワーク全体の通信需要の
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|
|
|
+異質性を考慮していない。本研究は、このLinkSelFiEの考え方を拡張し、経路
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|
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+ごとの重要度を導入する点で新規性を有する。
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|
|
+
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|
|
|
|
+LinkSelFiEの問題設定をさらに発展させ、ネットワーク全体の経路選択へと応
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+用範囲を広げる研究も活発に進められている。例えば、量子版のBGP (Border
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+Gateway Protocol) を想定し、ネットワークベンチマーキングを通じてオンラ
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|
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+インで最適経路を選択する研究 \cite{Liu2024_QBGP} や、機械学習の手法を
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+用いて最適な量子通信経路を学習する研究
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+\cite{Wang2025_LearningBestPaths} が報告されている。これらの研究は、単
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+一リンクの品質評価から、より大規模で動的なネットワークにおける経路全体
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+の最適化へと関心が移行していることを示しており、本研究とも共通の方向性
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+を持つ。
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+
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|
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+これらの研究の理論的基盤である多腕バンディット問題、特に最適アーム識別
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+(Best-Arm Identification, BAI) は、それ自体が機械学習分野の重要な研究
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+課題として深く研究されてきた \cite{Bubeck2012_RegretAnalysis}。BAIは、
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+試行回数の sonunda最も期待報酬の高いアームを特定することを目的とする
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|
|
|
+MABの一分野であり、固定予算設定や固定信頼度設定など、様々な問題設定が
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|
+提案されている \cite{Audibert10:COLT, Jamieson2014_BAI}。LinkSelFiEを
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|
|
|
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+はじめとする多くのリンク選択手法は、これらのBAIアルゴリズムに着想を得
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+ており、本研究もこの理論的基盤の上に構築されている。
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|
+
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|
|
|
|
+本研究におけるシミュレーション評価では、量子ネットワークの研究開発で広
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|
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+く利用されている NetSquid シミュレータを用いた
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+\cite{Coopmans2021_NetSquid}。NetSquidは、量子ビットの物理的な振る舞い
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|
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+から高レベルのプロトコルまでを統一的に記述できる、離散事象シミュレーショ
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|
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+ンのフレームワークである。このような精緻なシミュレータの存在が、複雑な
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+量子ネットワークにおけるプロトコルの設計と性能評価を可能にしている。
|
|
|
|
|
|
|
|
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|
\section{通信需要を考慮したリンク忠実度計測問題}
|
|
\section{通信需要を考慮したリンク忠実度計測問題}
|
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|
-
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|
|
|
|
-%% 本問題は通信需要の大きさが異なる複数ノードペアに対し最適な測定資源配分
|
|
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-%% を決定する問題として定式化される。これは単一ノードペア間の最高忠実度リ
|
|
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|
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-%% ンク特定問題を、より現実的な状況へ拡張したものである。
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|
-
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|
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|
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-%% 本問題の入力はネットワーク構成と総測定予算である。具体的には単一の対象
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-%% ノード $S$ と $N$ 個の隣接ノード集合、各ノードペア $(S, D_n)$ 間の並列
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-%% リンク集合 $L_n$、各ノードペアの重要度 $I_n$、そして総測定予算 $C$ が
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-%% 与えられる。ただし、各リンク $l_{nj}$ の真の忠実度 $f_{nj}$ は未知であ
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-%% る。
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-
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-%% 問題の出力は測定予算内で選択された価値ある通信経路の集合である。アルゴ
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-%% リズムは価値が高いと判断した $K$ 個のノードペア集合 $S_{sel}$ を決定す
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-%% る。そして選択された各ノードペア $n_k$ において最も忠実度が高いと特定
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-%% されたリンク $l_{nk}^*$ とその推定忠実度 $\hat{F}^*_{nk}$ を出力する。
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-
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-%% 本問題の目的は目的関数 ($\text{maximize} \sum_{n_k \in S_{sel}} I_{n_k}\hat{F}^*_{n_k}$)
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|
-%% で定義されるネットワーク全体の総価値を最大化することである。これは選択
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-%% された全経路の価値すなわち重要度と忠実度の積の総和を示す。
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-
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-%% \radd{このとき、制約条件は、全リンクにおける総測定コストが総測定予算
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-%% $C$ を超えないこと、すなわち
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-%% $\sum^N_{n=1} \sum_{l \in L_n} Cost(l) \leq C$
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-%% で与えられる。
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-%% }
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-
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-本問題は、通信需要 (重要度 $I_n$) が異なる $N$ 個のノードペア$(S,
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-D_n)$に対し、総測定予算 $C$ の制約下で、ネットワーク全体の総価値を最大
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-化する測定資源配分を決定する問題である。各ノードペアは並列リン
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-ク集合 $L_n$ を持ち、各リンク $l_{nj}$ の真の忠実度$f_{nj}$ は未知とす
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-る。
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-
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-本問題は、価値が高いと判断したノードペア集合 $S_{sel}$ 選択し、
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-各ペア $n_k \in S_{sel}$ で最高と推定されたリンク忠実度$F^*_{nk}$ を用
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-いて、以下の目的関数で定義される総価値を最大化することである。
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-{\footnotesize
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+%% 本章では、本研究が解決を目指す「通信需要を考慮したリンク忠実度計測問題」
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+%% を定式化する。
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+
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+%% 本問題は、単一の始点ノードと複数の終点ノードから成るスター型ネットワー
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+%% クを対象とする。
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+
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+%% 問題の入力として、各ノードペアの重要度と、利用可能な総測定予算が与えら
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+%% れる。
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+
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+%% ここでの課題は、各リンクの忠実度が未知であるという不確実性の下で、測定
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+%% 資源をいかに配分するかを決定することである。
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+
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+%% 本問題の目的は、限られた測定予算の制約下で、ネットワーク全体で得られる
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+%% 価値の総和を最大化することである。
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+
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+本章では、本研究が扱う問題を定式化する。本研究では、量子ネットワークに
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+おけるリンク品質の推定問題を拡張し、通信経路ごとの重要度、すなわち通信
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+需要という経済的・運用的な価値尺度を導入する。これにより、単に物理的な
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+品質が高いリンクを発見するだけでなく、ネットワーク全体の運用価値を最大
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+化するという、より実践的な問題設定を取り扱う。
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+
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+本問題は、単一の始点ノード $S$ と $N$ 個の終点ノード $D_n$ ($n=1,
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+\dots, N$) から成るスター型ネットワークを対象とする。各ノードペア $(S,
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+D_n)$ 間には、複数の並列な物理リンクから成るリンク集合 $L_n$ が存在す
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+ると仮定する。各リンク $l_{nj} \in L_n$ の真の忠実度 $f_{nj}$ は未知で
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+あり、測定を通じてのみその値を推定できる。
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+
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+問題の入力として、各ノードペア $(S, D_n)$ の重要度 $I_n$ と、利用可能
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+な総測定予算 $C$ が与えられる。重要度 $I_n$ は、特定の通信経路が担うタ
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+スクの優先度や要求品質を反映する正規化された値であり、これが通信需要に
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+相当する。総測定予算 $C$ は、忠実度の推定に費やすことができる測定操作
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+の総コストの上限を定める。
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+
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+ここでの課題は、各リンクの忠実度が未知であるという不確実性の下で、測定
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+資源をいかに配分するかを決定することである。すなわち、どのノードペアの、
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+どのリンクに対して、どれだけの回数の測定を行うかという配分戦略を導出す
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+ることが求められる。精度の高い忠実度推定には多くの測定コストを要するた
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+め、全てのリンクの品質を完全に把握することは現実的ではない。
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+
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+本問題の目的は、限られた測定予算の制約下で、ネットワーク全体で得られる
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+価値の総和を最大化することである。あるノードペア $n$ を選択し、その中
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+で最も忠実度が高いと推定されたリンク $l^*_{nk}$ の忠実度を
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+$\hat{F}^*_{nk}$ とするとき、その経路から得られる価値は、重要度
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+$I_{n_k}$ と推定忠実度 $\hat{F}^*_{n_k}$ の積で定義される。したがって、
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+本問題は、以下の目的関数を最大化するノードペアの集合 $S_{\text{sel}}$
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+を見出す問題として定式化される。{\footnotesize
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\begin{align}
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\begin{align}
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|
\text{maximize} \sum_{n_k \in S_{sel}} I_{n_k}\hat{F}^*_{n_k}
|
|
\text{maximize} \sum_{n_k \in S_{sel}} I_{n_k}\hat{F}^*_{n_k}
|
|
|
\end{align}
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|
\end{align}
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|
-}
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-
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-このとき、制約条件は、全リンクにおける総測定コストが総測定予算$C$ を超
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-えないこと、すなわち $\sum^N_{n=1} \sum_{l \in L_n} Cost(l) \leq C$で
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-与えられる。
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+}このとき、全てのリンクに対する総測定コストは、与えられた総測定予算
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+$C$ を超えてはならない。これを制約条件として式で表すと、以下のようにな
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+る。
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+\begin{align}
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+ \sum^N_{n=1} \sum_{l \in L_n} \text{Cost}(l) \leq C
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|
+\end{align}
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+ここで $\text{Cost}(l)$ は、リンク $l$ の忠実度推定に要した測定コスト
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+を示す。
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\section{提案手法 : 二段階貪欲法(Two-Phase Greedy)による資源配分}
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\section{提案手法 : 二段階貪欲法(Two-Phase Greedy)による資源配分}
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|
|
+%% 本章では、前章で定式化した通信需要を考慮したリンク忠実度計測問題に対し、
|
|
|
|
|
+%% 効率的な近似解法である二段階貪欲法を提案する。
|
|
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-%% 本稿では上記の問題を解くためにTwo-Phase Greedy手法を提案する。本手法は
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-%% 広域的な探索と集中的な活用の二段階処理により限られた測定資源を効率的に
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-%% 配分する。第一段階では全リンクに対して少量の測定を行い忠実度の初期推定
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-%% 値を低コストで得る。これによりネットワーク全体の品質分布を大局的に把握
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+%% 本手法は、大局的な品質分布を把握する広域探索フェーズと、有望な経路に資
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+%% 源を集中させる集中的活用フェーズの二段階で構成される。
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|
|
+
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|
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+%% はじめに、本手法への入力と、最終的に得られる出力を明確に定義する。
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|
|
+
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|
|
|
|
+%% 第一段階である広域探索フェーズでは、総測定予算の一部を全てのノードペア
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|
|
|
|
+%% に均等に配分し、各経路におけるリンク忠実度の初期推定値を低コストで取得
|
|
|
%% する。
|
|
%% する。
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|
|
|
|
|
|
|
-%% 第二段階では第一段階の結果を基に残りの測定資源を価値が高いと見込まれる
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|
|
|
-%% 有望なリンクへ集中的に投下する。具体的には各ノードペアの重要度 $I_n$
|
|
|
|
|
-%% と初期推定忠実度 $\hat{f}_n$ の積から価値スコアを計算する。そして価値
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|
|
|
|
-%% の高いノードペア内のリンク群にのみLinkSelFiEを適用し詳細な測定を行う。
|
|
|
|
|
-%% この貪欲戦略により測定資源は価値創出の期待値が高い経路の特定へ自動的に
|
|
|
|
|
-%% 集中し総価値の効率的な最大化が期待できる。
|
|
|
|
|
-
|
|
|
|
|
-本稿では、上記の問題を解くための効率的な近似解法として、広域的な探索と
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|
|
|
-集中的な活用を組み合わせた二段階貪欲法を提案する。この手法は、
|
|
|
|
|
-組合せ最適化問題に対する現実的なアプローチとして、限られた測定資源を準
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|
|
|
-最適に配分し、計算コストを抑えつつ高い性能を実現することを目的とする。
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|
-
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|
|
|
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-二段階貪欲法の第一段階は、広域探索フェーズである。ここでは、限ら
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|
|
|
-れた測定予算の一部を、対象となる全てのリンクに少量ずつ均等に配分するこ
|
|
|
|
|
-とで、各リンクの忠実度の初期推定値を低コストで得る。
|
|
|
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|
-
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|
|
|
|
-本手法の第二段階は、活用フェーズである。ここでは、広域探索フェーズで得
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|
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-られた初期推定忠実度と各ノードペアの重要度の積から価値スコアを算出し、
|
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|
|
|
-このスコアが高い有望なノードペア内のリンク群に残りの測定資源を集中的に
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|
|
|
|
-投下する。具体的には、各ノードペア $n$ に対して価値スコア
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-$I_n\hat{f}_n$を計算し、スコアの高い順にノードペアを選択する。
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-
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|
|
-%% そして、選
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-%% 択されたノードペア内のリンク群に対してのみ、先行研究である LinkSelFiE
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|
|
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-%% を適用し、最も忠実度の高いリンクを高い精度で特定する。
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|
|
|
-%% この貪欲戦略により、測定資源は価値創出の期待値が高い経路の特
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|
-%% 定へと自動的に割り当てられ、ネットワーク全体の総価値が効率的に最大化さ
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|
-%% れることが期待できる。
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|
|
+%% 第二段階である集中的活用フェーズでは、第一段階で得られた初期推定値と各
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|
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+%% 経路の重要度に基づき、残りの測定資源を価値の高い経路から順に、貪欲に配
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|
|
+%% 分する。
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|
+
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|
|
|
+%% 以上の二段階処理により、本手法は限られた測定資源をネットワーク全体の価
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|
|
+%% 値が最大となるよう効率的に配分することを目指す。
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|
|
+
|
|
|
|
|
+本章では、前章で定式化した通信需要を考慮したリンク忠実度計測問題に対し、
|
|
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|
|
+効率的な近似解法である二段階貪欲法 (Two-Phase Greedy) を提案する。本手
|
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|
|
|
+法は、組合せ最適化問題に対する実用的なヒューリスティック解法として、解
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|
|
|
+の品質と計算コストのバランスを考慮して設計されている。特に、大規模なネッ
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|
|
+トワークにおいて全てのリンクの忠実度を正確に測定することが現実的でない
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+状況を想定し、限られた測定資源を準最適に配分することを目指す。
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|
|
|
|
+
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|
|
|
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+本手法は、大局的な品質分布を把握する広域探索フェーズと、有望な経路に資
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|
|
|
+源を集中させる集中的活用フェーズの二段階で構成される。最初にネットワー
|
|
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|
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+ク全体を広く浅く調査することで有望な領域を見定め、次いでその領域を集中
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|
+的に調査するという戦略は、探索空間が広大な問題において有効なアプローチ
|
|
|
|
|
+である。これにより、測定資源が価値の低いリンクの精密な調査に浪費される
|
|
|
|
|
+ことを防ぎ、ネットワーク全体の総価値を効率的に高めることが期待できる。
|
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+
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|
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+はじめに、本手法への入力と、最終的に得られる出力を明確に定義する。本手
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+法への入力は以下の通りである。
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|
+\begin{itemize}
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+ \item ネットワークトポロジ: 始点ノード $S$、終点ノード集合
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+ $\{D_n\}_{n=1}^N$、および各ノードペア $(S, D_n)$ 間に存在する物
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|
|
+ 理リンクの集合 $L_n$。
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|
|
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+ \item 通信需要: 各ノードペア $(S, D_n)$ の重要度 $I_n \in [0, 1]$。
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|
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|
|
+ \item 測定予算: 利用可能な総測定コストの上限 $C$、および広域探索
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+ フェーズで各ノードペアに割り当てる初期測定コスト
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+ $C_{\text{init}}$。
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+\end{itemize}
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|
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+一方、本手法の出力は、各ノードペア $n$ について、その中で最も忠実度が
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+高いと最終的に判断されたリンクの推定忠実度 $\hat{f}^*_n$ である。
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+
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+第一段階である広域探索フェーズでは、総測定予算の一部を全てのノードペア
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+に均等に配分し、各経路におけるリンク忠実度の初期推定値を低コストで取得
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+する。具体的には、各ノードペア $(S, D_n)$ 内のリンク集合 $L_n$ に対し、
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+それぞれ初期測定コスト $C_{\text{init}}$ を上限として忠実度測定を実行
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+する。この測定は、先行研究であるLinkSelFiE \cite{Liu24:INFOCOM} のよう
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+な逐次的な最適アーム識別手法を用いて行われる。$C_{\text{init}}$ を消費
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+するか、あるいは最も忠実度の高いリンクが特定できた時点で測定を打ち切り、
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|
|
+その時点での最良リンクの推定忠実度を初期推定値
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|
|
+$\hat{f}^{\text{init}}_n$ とする。このフェーズの目的は、あくまでネット
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+ワーク全体の品質傾向を低コストで把握することにあるため、
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|
+$C_{\text{init}}$ は比較的小さな値に設定される。
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+
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|
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+第二段階である集中的活用フェーズでは、第一段階で得られた初期推定値と各
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|
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+経路の重要度に基づき、残りの測定資源を価値の高い経路から順に、貪欲に配
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+分する。まず、全ノードペア $n$ に対して、その経路がもたらす価値の期待
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+値を表す価値スコア $V_n = I_n \times \hat{f}^{\text{init}}_n$ を計算す
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+る。次に、この価値スコア $V_n$ が高い順にノードペアを整列させる。そし
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|
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+て、総測定予算の残り $C_{\text{remain}} = C - \sum_n (\text{消費コス
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+ ト}_n^{\text{init}})$ を、整列された順序に従って各ノードペアに割り当
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+てていく。すなわち、最も価値スコアの高いノードペアから順に、残りの予算
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+の全てを投じて再度LinkSelFiEによる忠実度測定を実行し、より精度の高い推
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+定値 $\hat{f}^*_n$ を得る。これを予算が尽きるまで、あるいは全てのノー
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|
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+ドペアの再測定が完了するまで繰り返す。一度も第二段階の測定対象とならな
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|
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+かったノードペアについては、初期推定値 $\hat{f}^{\text{init}}_n$ を最
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|
+終的な推定忠実度 $\hat{f}^*_n$ とする。
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|
+
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+以上の二段階処理により、本手法は限られた測定資源をネットワーク全体の価
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+値が最大となるよう効率的に配分することを目指す。広域探索によって有望な
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|
|
+経路を大局的に特定し、活用フェーズでそれらの経路の忠実度推定精度を集中
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+的に高めるという貪欲戦略は、計算コストを現実的な範囲に抑制しつつ、高品
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+質な解を得るための有効な近似解法である。
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|
\section{実験}
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|
\section{実験}
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-\begin{figure}[t]
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|
- \centering
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|
|
- \begin{minipage}[b]{0.235\textwidth}
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|
- \centering
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- \includegraphics[width=\textwidth]{graphA.eps}
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- \vspace{0.5em}
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-
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- {\scriptsize 図1: 隣接ノード数3における\\測定予算と総価値スコアの関係}
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- \label{fig:r3}
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|
- \end{minipage}
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|
- \hfill
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|
|
- \begin{minipage}[b]{0.235\textwidth}
|
|
|
|
|
- \centering
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|
|
|
|
- \includegraphics[width=\textwidth]{graphC.eps}
|
|
|
|
|
- \vspace{0.5em}
|
|
|
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|
-
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|
- {\scriptsize 図2: 隣接ノード数5における\\測定予算と総価値スコアの関係}
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|
- \label{fig:r5}
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|
|
- \end{minipage}
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|
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|
-\end{figure}
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-
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-
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-図\ref{fig:r3}および図\ref{fig:r5}の結果から、提案手法は比較手法よりも高い総価値スコアを達成し、価値の高いリンクへ優先的に資源を配分する有効性が示された。ただし、実験で検証した範囲を超えて予算をさらに増加させた場合には、価値の低いリンクにもコストをかけてしまうため、スコアの上昇率は鈍化し、追加投資による価値の向上は限定的になると考えられる。
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-
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-
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-本章では、提案手法がネットワーク全体の総価値を効率的に最大化できること
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-を示すため、量子ネットワークシミュレータ NetSquid を用いた評価実験を行っ
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|
-た。
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-
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+%% 本章では、提案手法である二段階貪欲法の有効性を定量的に評価するため、量
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+%% 子ネットワークシミュレータを用いて行った計算機シミュレーションの詳細と、
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|
+%% その評価結果について述べる。
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-本実験では、1つの対象ノードに接続する隣接ノード数が $N=3$ および $N=5$ の2種類のスター型トポロジを用いた。各ノードペア間には5本のリンクが存在し、そのうち1本の平均忠実度を $0.95$、残りの4本を $0.85$ とする正規分布に従って忠実度を設定した。各ノードペアの重要度 $I_n$ は、区間 $[0, 1]$ の一様乱数により決定した。
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+%% 本シミュレーションの目的は、限られた測定予算の制約下において、提案手法
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+%% が比較手法よりも効率的にネットワーク全体の総価値を最大化できることを示
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+%% すことにある。
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+%% 評価には、量子ネットワークの研究開発で広く用いられているシミュレータ
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+%% NetSquidを用い、1つの始点ノードと複数の終点ノードから成るスター型トポ
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+%% ロジを想定した。
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-二段階貪欲法の設定として、広域探索フェーズでは、各リンクに対して
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-初期予算($t_0=40$)を割り当て、全リンクを均等に測定し初期推定値を得る。
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-活用フェーズでは、価値スコアによって選択されたノードペア内のリンク
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-群に対して、LinkSelFiEを適用することで、最も忠実度の高いリンクを特定
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-する。
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+%% 実験では、品質の異なる物理リンクが混在し、かつ通信経路ごとに重要度が異
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+%% なる、より現実的な状況を模倣するためのパラメータ設定を用いた。
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-比較手法として、Uniform-LinkSelFiEおよびUniform-Naiveを用いた。前者は、
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-LinkSelFiEの枠組みで測定予算を全ペアに均等配分し、リンクが一意に定まれ
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-ばそのリンクを、そうでなければ推定忠実度が最大のリンクを選出する手法で
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-ある。後者は、予算を全ペア・全リンクに均等配分する手法である。
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+%% 提案手法の有効性を明らかにするため、測定資源をネットワーク全体に均等に
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+%% 配分する二つの基本的な手法を比較対象とした。
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+%% 評価指標には、各通信経路の重要度と最終的に選択されたリンクの推定忠実度
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+%% の積を、全ての通信経路について合計したネットワーク総価値スコアを用いた。
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-評価指標には、測定予算を変化させた際のネットワーク総価値スコアを用い、
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-各測定予算の値について、独立なシュミレーションを 20 回実施し、その平均
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-値と 95 \% 信頼区間を算出した。
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+%% まず、隣接ノード数が3の場合、提案手法はいずれの測定予算においても比較
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+%% 手法を一貫して上回る総価値を達成した。
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-図1および図2の結果から、提案手法は比較手法よりも高い総価値スコアを達成し、価値の高いリンクへ優先的に資源を配分することが示された。ただし、実験で検証した範囲を超えて予算をさらに増加させた場合には、価値の低いリンクにもコストをかけてしまうため、スコアの上昇率は鈍化し、追加投資による価値の向上は限定的になると考えられる。
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-
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-
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-%% 隣接ノードが 3 つの条件での結果 (図 1) では、
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-
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-%% 測定予算が少ない初期段階でスコアは急激に上昇し、その後、上昇率は緩やか
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-%% になる傾向が見られた。これは、提案手法が価値の高いリンクへ優先的に資源
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-%% を配分するため、初期の投資で大きな効果が得られる一方、有望なリンクの特
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-%% 定が進むにつれて追加投資による価値の向上が限定的になることを示唆してい
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-%% る。この結果は、特に資源制約が厳しい状況において提案手法が有効であるこ
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-%% とを示している。
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-
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-%% また、隣接ノードが 5 つの条件での結果 (図 2) では、利用可能な予算が増
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-%% えるにつれ、提案手法と比較手法との性能差がより拡大する結果が得られた。
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+%% この結果は、提案手法が通信需要の高い経路へ優先的に資源を配分することで、
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+%% 特に測定予算が限られる初期段階で高い投資対効果を実現していることを示唆
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+%% する。
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-%% 探索対象となるリンクの総数が増加すると、各リンクに割り当て可能な平均測
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-%% 定資源は相対的に減少し、資源配分の効率性がより重要となる。このような厳
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-%% しい資源制約下において、通信需要と品質に基づいて資源を的確に配分する提
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-%% 案手法の優位性がより際立つためであると考えられる。以上の結果から、提案
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-%% 手法は、特に大規模で資源制約の厳しい量子ネットワークにおいて、全体の価
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-%% 値を最大化する上で高い有効性を持つことが示された。
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+%% 次に、隣接ノード数を5に増加させた場合、提案手法と比較手法との性能差は
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+%% さらに拡大する傾向が見られた。
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+%% 探索対象となるリンク数が増加したことで資源配分の効率性がより重要となり、
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+%% 通信需要とリンク品質の初期推定値に基づいて資源を集中させる提案手法の優
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+%% 位性がより顕著に現れたものと考えられる。
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-%% 本章では、通信需要(重要度)と忠実度の両方を考慮した資源配分手法の有効
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-%% 性を、シミュレーションによって定量的に評価する。具体的には、限られた測
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-%% 定予算のもとで、提案手法がネットワーク全体の総価値スコア($\sum I_n
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-%% \cdot \hat{f}_n^*$)をどれだけ効率的に最大化できるかを検証する。
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+%% 以上の結果から、提案手法は、ネットワークの規模や利用可能な測定予算によ
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+%% らず、通信需要を考慮した効率的な資源配分によってネットワーク全体の価値
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+%% を最大化する上で高い有効性を持つことが示された。
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-%% シミュレーションには、量子ネットワークシミュレータである NetSquid を用
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-%% いた。評価対象とするネットワークトポロジは、1つの対象ノードと、それに
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-%% 接続する隣接ノードの数が3つ($N=3$)または5つ($N=5$)の2種類である。
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-%% 各ノードペア $(S, D_n)$ の間には、それぞれ5本の独立な量子リンクが存在
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-%% すると仮定する。リンクのノイズモデルにはデポラライジングチャネルを適用
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-%% し、リンク忠実度は、平均0.95のリンク1本と平均0.85のリンク4本からなる正
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-%% 規分布に従って生成された。
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-%% また、各ノードペアに割り当てられる重要度 $I_n$ は、通信タスクの優先度
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-%% を表すパラメータとして、区間 $[0, 1]$ における一様乱数により設定した。
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-%% なお、各評価点について20回の独立なシミュレーション試行を行い、その結果
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-%% の95\%信頼区間をグラフ中に縦線で示している。
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+本章では、提案手法である二段階貪欲法の有効性を定量的に評価するため、量
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+子ネットワークシミュレータを用いて行った計算機シミュレーションの詳細と、
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+その評価結果について述べる。
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+
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+本シミュレーションの目的は、限られた測定予算の制約下において、提案手法
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+が比較手法よりも効率的にネットワーク全体の総価値を最大化できることを示
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+すことにある。そのために、総測定予算を変化させた際のネットワーク総価値
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+スコアの推移を計測し、提案手法と二つの比較手法との性能を比較評価する。
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+
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+評価には、量子ネットワークの研究開発で広く用いられているシミュレータ
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+NetSquid \cite{Coopmans2021_NetSquid} を用い、1つの始点ノードと複数の
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+終点ノードから成るスター型トポロジを想定した。本評価では、ネットワーク
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+規模の指標となる隣接ノード数を3 ($N=3$) および5 ($N=5$) とした二種類の
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+トポロジを対象とした。
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+
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+実験では、品質の異なる物理リンクが混在し、かつ通信経路ごとに重要度が異
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+なる、より現実的な状況を模倣するためのパラメータ設定を用いた。具体的に
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+は、各ノードペア $(S, D_n)$ 間には5本の独立な物理リンクが存在すると仮
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+定する。このうち1本のリンクの平均忠実度を0.95、残りの4本の平均忠実度を
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+0.85とし、それぞれ正規分布に従って忠実度の真値を設定した。これは、高品
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+質なリンクと標準的な品質のリンクが混在する状況を表現するためである。ま
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+た、各ノードペアの重要度 $I_n$ は、区間 $[0, 1]$ 上の一様乱数により生
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+成した。
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+
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+提案手法である二段階貪欲法では、広域探索フェーズで各ノードペアに初期測
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+定コスト $C_{\text{init}}=40$ を割り当て、初期推定値を得る。続く集中的
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+活用フェーズでは、初期推定値と重要度から算出される価値スコアに基づき、
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+残りの測定予算を価値の高いノードペアから順に配分する。各ノードペア内に
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+おける最良リンクの特定には、先行研究であるLinkSelFiE
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+\cite{Liu24:INFOCOM} を用いた。
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+
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+提案手法の有効性を明らかにするため、測定資源をネットワーク全体に均等に
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+配分する二つの基本的な手法を比較対象とした。第一の比較手法
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+Uniform-LinkSelFiE は、総測定予算を全てのノードペアに均等に配分し、各
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+ペア内でLinkSelFiEを用いて最良リンクを特定する。第二の比較手法
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+Uniform-Naive は、総測定予算を全てのノードペア、かつ全ての物理リンクに
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+均等に配分し、得られた推定忠実度に基づいて最良リンクを選択する、最も単
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+純なアプローチである。
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+
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+評価指標には、各通信経路の重要度 $I_n$ と最終的に選択されたリンクの推
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+定忠実度 $\hat{f}^*_n$ の積を、全ての通信経路について合計したネットワー
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+ク総価値スコアを用いた。この総価値スコアは、式 (1) で定義した本研究の
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+最適化対象そのものである。なお、シミュレーション結果の信頼性を担保する
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+ため、各測定予算の値について独立なシミュレーションを20回実施し、その平
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+均値と95\%信頼区間を算出した。
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-%% 実験結果より、提案手法はすべての測定予算条件において比較手法よりも高い
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-%% 総価値スコアを達成しており、その有効性が確認された。一方で、測定予算の
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-%% 増加に伴ってスコアの上昇率は徐々に低下する傾向が見られた。これは、提案
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-%% 手法が価値の高いリンクに優先的に測定資源を集中させる戦略を取るため、初
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-%% 期段階において効果的な投資が行われる一方で、残されたリンク群には相対的
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-%% に低い価値しか見込めないためである。この結果から、提案手法は特にリソー
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-%% ス制約が厳しい状況において有効であることが示唆される。
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+\begin{figure}[t]
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+ \centering \includegraphics[width=0.8\columnwidth]{graphA.eps}
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+ \caption{隣接ノード数が3の場合における測定予算と総価値スコアの関係}
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+ \label{fig:r3_rewritten}
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+ \vspace{1.5em} % 図の間の垂直方向のスペース
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+ \includegraphics[width=0.8\columnwidth]{graphC.eps}
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+ \caption{隣接ノード数が5の場合における測定予算と総価値スコアの関係}
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+ \label{fig:r5_rewritten}
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|
+\end{figure}
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-%% 図\ref{fig:r3}および図\ref{fig:r5}は、それぞれ隣接ノードが3つ($N=3$)
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-%% および5つ($N=5$)の場合における、総価値スコアと測定予算の関係を示して
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-%% いる。隣接ノード数を3から5へ増加させた場合の評価では、提案手法と比較手
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-%% 法との性能差がより顕著に拡大した。隣接ノード数が増加すると、各ノードペ
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-%% アに割り当て可能な平均測定資源は相対的に減少する。このような厳しい資源
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-%% 制約下において、需要と品質に基づいて資源を的確に配分する提案手法の優位
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-%% 性がより際立ったものと考えられる。以上の実験結果から、提案手法は通信需
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-%% 要とリンク品質に基づいて測定資源を効率的に配分することにより、特に資源
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-%% 制約が厳しい、あるいはネットワーク規模が大きい状況において、全体の価値
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-%% を最大化する上で高い有効性を持つことが示された。
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-\vspace{-0.4em} % ← この行を追加(-0.8em 〜 -1.2em で調整)
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+まず、隣接ノード数が3の場合、提案手法はいずれの測定予算においても比較
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+手法を一貫して上回る総価値を達成した。図\ref{fig:r3_rewritten}に、総測
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+定予算を横軸に、ネットワーク総価値スコアを縦軸にとった結果を示す。図か
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+らわかるように、特に測定予算が小さい領域において、提案手法は比較手法に
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+比べて急峻に総価値を高めている。
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+
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+この結果は、提案手法が通信需要の高い経路へ優先的に資源を配分することで、
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+特に測定予算が限られる初期段階で高い投資対効果を実現していることを示唆
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+する。有望な経路の忠実度推定に資源を集中させるため、少ない予算で効率的
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+にネットワーク全体の価値を向上できる。一方で、測定予算の増加に伴い、総
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+価値の上昇率は緩やかになる。これは、価値の高い経路の忠実度推定がある程
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+度収束した後は、追加の測定予算が相対的に価値の低い経路の推定精度向上に
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+用いられるため、全体価値への貢献が限定的になるためである。
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+
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+次に、隣接ノード数を5に増加させた場合、提案手法と比較手法との性能差は
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+さらに拡大する傾向が見られた。図\ref{fig:r5_rewritten}は、隣接ノード数
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+が5の場合の結果を示す。隣接ノード数が3の場合と同様に、提案手法が最も高
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+い性能を示している。さらに、測定予算が増加するにつれて、提案手法と
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+Uniform-LinkSelFiEとの性能差が、図\ref{fig:r3_rewritten}の場合と比較し
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+てより大きく開いていることが確認できる。
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+
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+探索対象となるリンク数が増加したことで資源配分の効率性がより重要となり、
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+通信需要とリンク品質の初期推定値に基づいて資源を集中させる提案手法の優
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+位性がより顕著に現れたものと考えられる。ネットワーク規模が拡大すると、
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+各リンクに配分できる平均的な測定予算は減少し、資源を闇雲に分散させる手
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+法では十分な推定精度を得ることが困難になる。このような状況において、提
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+案手法の戦略的な資源配分が効果的に機能した結果である。
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+
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+以上の結果から、提案手法は、ネットワークの規模や利用可能な測定予算によ
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+らず、通信需要を考慮した効率的な資源配分によってネットワーク全体の価値
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+を最大化する上で高い有効性を持つことが示された。特に、資源制約が厳しい
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+状況や、大規模なネットワークにおいて、その有効性はより顕著となることが
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+期待される。
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+
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+% \vspace{-0.4em} % ← この行を追加(-0.8em 〜 -1.2em で調整)
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\section*{謝辞}
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\section*{謝辞}
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本研究の一部は JSPS 科研費 24K02936 の助成を受けたものである。
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|
本研究の一部は JSPS 科研費 24K02936 の助成を受けたものである。
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-\vspace{-0.5em} % ← この行を追加
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+% \vspace{-0.5em} % ← この行を追加
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\renewcommand{\em}{\it} \bibliographystyle{ieeetr}
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\renewcommand{\em}{\it} \bibliographystyle{ieeetr}
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\bibliography{bib/quantum}
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\bibliography{bib/quantum}
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\end{document}
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\end{document}
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