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@@ -339,114 +339,37 @@ MABの一分野であり、固定予算設定や固定信頼度設定など、
 
 
 
 
 \section{通信需要を考慮したリンク忠実度計測問題}
 \section{通信需要を考慮したリンク忠実度計測問題}
-%% 本章では、本研究が解決を目指す通信需要を考慮したリンク忠実度計測問題
-%% を数学的に定式化する。
-
-%% 本問題では、単一の始点ノードと複数の終点ノードから成るスター型ト
-%% ポロジの量子ネットワークを想定する。
-
-%% 本問題への入力として、ネットワークトポロジ、各通信経路の重要度、利用可
-%% 能な総測定予算、そして推定結果に要求される信頼区間精度が与えられる。
-
-%% ここでの本質的な課題は、各リンクの忠実度が未知であるという不確実性の下
-%% で、限られた測定資源をどのリンクにどれだけ配分するかを決定することにあ
-%% る。
-
-%% 本問題の出力は、測定資源の配分計画と、その結果として忠実度が十分な精度
-%% で確定した発見済みの通信経路の集合である。
-
-%% ある通信経路が発見済みであるとは、その経路内で最も忠実度の高いリンクの
-%% 推定値が、要求された精度を満たす信頼区間幅を達成した状態として定義する。
-
-%% 本問題の目的は、総測定コストが与えられた予算を超えないという制約の下で、
-%% 発見済みの通信経路から得られる価値の総和を最大化することである。
-
-%% 以上の目的と制約をまとめ、本研究が取り組む最適化問題を定義する。
-
-本章では、本研究が解決を目指す通信需要を考慮したリンク忠実度計測問題
-を数学的に定式化する。本研究では、従来のリンク品質推定問題を拡張し、通
-信経路ごとに異なる重要度、すなわち通信需要を考慮に入れる。これにより、
-単に物理的な品質が高いリンクを見つけ出すだけでなく、限られた測定資源を
-用いてネットワーク全体の運用価値を最大化するという、より実践的な課題設
-定を取り扱う。
-
-本問題では、単一の始点ノード $S$ と $N$ 個の終点ノード $D_n$ ($n=1,
-\dots, N$) から成るスター型トポロジの量子ネットワークを想定する。各ノー
-ドペア $(S, D_n)$ 間には、それぞれ複数の並列な物理リンクから成るリンク
-集合 $L_n = \{l_{n1}, l_{n2}, \dots, l_{n|L_n|}\}$ が存在すると仮定す
-る。各リンク $l_{nj} \in L_n$ の真の忠実度 $f_{nj} \in [0, 1]$ は未知
-であり、量子測定を繰り返すことによってのみ、その値を統計的に推定できる。
-
-本問題への入力として、ネットワークトポロジ、各通信経路の重要度、利用可
-能な総測定予算、そして推定結果に要求される信頼区間精度が与えられる。各
-ノードペア $(S, D_n)$ の重要度 $I_n \in [0, 1]$ は、その通信経路が担う
-タスクの優先度やアプリケーションの要求品質を反映する重みであり、これが
-本稿における通信需要に相当する。総測定予算 $C$ は、忠実度の推定に費や
-すことができる測定操作の総コストの上限を定める。さらに、推定忠実度の信
-頼性を保証するためのパラメータとして、許容誤差 $y > 0$ が与えられる。
-この許容誤差 $y$ は、推定忠実度の信頼区間幅に関する要求精度を規定する
-ものである。
-
-ここでの課題は、各リンクの忠実度が未知であるという不確実性の下で、限ら
-れた測定資源をどのリンクにどれだけ配分するかを決定することにある。すな
-わち、どのノードペアの、どのリンクに対して、何回の測定を行うかという配
-分戦略を導出することが求められる。精度の高い忠実度推定には多くの測定コ
-ストを要するため、全てのリンクの品質を完全に、かつ高い信頼性をもって把
-握することは、特にネットワーク規模が大きい場合には現実的ではない。した
-がって、重要度と品質の両面から価値が高いと見込まれる通信経路を選択的に
-調査する資源配分戦略が不可欠となる。
-
-本問題の出力は、測定資源の配分計画と、その結果として忠実度が十分な精度
-で確定した発見済みの通信経路の集合である。具体的には、各リンク
-$l_{nj}$ への測定回数を $a_{nj}$ としたとき、その配分計画全体
-$\{a_{nj}\}$ が一つの出力となる。この配分計画に基づき各リンクの忠実度
-を推定した結果、後述する発見条件を満たしたノードペアの集合
-$S_{\text{sel}} \subseteq \{1, \dots, N\}$ が、もう一つの主要な出力と
-なる。
 
 
-ある通信経路が発見済みであるとは、その経路内で最も忠実度の高いリンクの
-推定値が、要求された精度を満たす信頼区間幅を達成した状態として定義する。
-ノードペア $n$ 内のリンク集合 $L_n$ の中で、最も忠実度が高いと推定され
-たリンクを $l^*_{n}$ とし、その推定忠実度を $\hat{f}^*_n$ とする。この
-推定値は確率変数であり、その信頼性は信頼区間 $[\text{LCB}^*_n,
-  \text{UCB}^*_n]$ によって評価される。ここで $\text{LCB}^*_n$ と
-$\text{UCB}^*_n$ は、それぞれ信頼区間の下限値と上限値を示す。この信頼
-区間幅 $x_n = \text{UCB}^*_n - \text{LCB}^*_n$ が、入力として与えられ
-た許容誤差 $y$ に対応する閾値 $x_{\text{thresh}}(y)$ 以下になった場合
-に、ノードペア $n$ は発見済みであると見なす。すなわち、発見条件は以下
-のように表される。
+
+本章では、本研究が解決を目指す通信需要を考慮したリンク忠実度計測問題を数学的に定式化する。本研究では、従来のリンク品質推定問題を拡張し、通信経路ごとに異なる重要度、すなわち通信需要を考慮に入れる。これにより、単に物理的な品質が高いリンクを見つけ出すだけでなく、限られた測定資源を用いてネットワーク全体の運用価値を最大化するという、問題を取り扱う。
+
+本問題では、単一の始点ノード $S$ と $N$ 個の終点ノード $D_n$ ($n=1, \dots, N$) から成る量子ネットワークを想定する。各ノードペア $(S, D_n)$ 間には、それぞれ複数の並列な物理リンクから成るリンク集合 $L_n = \{l_{n1}, l_{n2}, \dots, l_{n|L_n|}\}$ が存在すると仮定する。各リンク $l_{nj} \in L_n$ の真の忠実度 $f_{nj} \in [0, 1]$ は未知であり、量子測定を繰り返すことによってのみ、その値を統計的に推定できる。
+
+問題への入力として、ネットワークトポロジ、各通信経路の重要度、利用可能な総測定予算、そして推定結果に要求される信頼性が与えられる。各ノードペア $(S, D_n)$ の重要度 $I_n \in [0, 1]$ は、その通信経路が担うタスクの優先度やアプリケーションの要求品質を反映する重みであり、本稿における通信需要に相当する。総測定予算 $C$ は、忠実度の推定に費やすことができる測定操作の総コストの上限を定める。さらに、推定忠実度の信頼性を保証するためのパラメータとして、信頼度パラメータ $\delta \in (0, 1)$ と、ユーザーが指定する許容誤差 $y > 0$ が与えられる。
+# NB (Network Benchmarking) の仕様は入力?
+
+ここでの課題は、各リンクの忠実度が未知であるという不確実性の下で、限られた測定資源をどのリンクにどれだけ配分するかを決定することにある。すなわち、どのノードペアの、どのリンクに対して、何回の測定を行うかという配分戦略を導出することが求められる。精度の高い忠実度推定には多くの測定コストを要するため、全てのリンクの品質を完全に、かつ高い信頼性をもって把握することは、特にネットワーク規模が大きい場合には現実的ではない。したがって、重要度と品質の両面から価値が高いと見込まれる通信経路を選択的に調査する資源配分戦略が必要となる。
+
+本問題の出力は、測定資源の配分計画の結果として忠実度が十分な精度で確定した、発見済みの通信経路の集合である。具体的には、発見済みと判定されたノードペアの集合 $S_{\text{sel}} \subseteq \{1, \dots, N\}$ 、各 $n \in S_{\text{sel}}$ に対して、その経路内で最も忠実度が高いと推定されたリンク $l^*_{n}$ と、その推定忠実度 $\hat{f}^*_n$、および対応する信頼区間 $[\text{LCB}^*_n, \text{UCB}^*_n]$ が得られる。
+# x_n = UCB_n* - LCB_n*とCI [LCB_n*, UCB_n*]は分ける必要がある?
+
+ある通信経路が発見済みであるとは、その経路内で最も忠実度の高いリンクの推定値が、要求された精度を満たす信頼区間幅を達成した状態として定義する。ノードペア $n$ 内のリンク集合 $L_n$ の中で、最も忠実度が高いと推定されたリンクを $l^*_{n}$ とし、その推定忠実度を $\hat{f}^*_n$ とする。この推定値の信頼性は信頼区間 $[\text{LCB}^*_n, \text{UCB}^*_n]$ によって評価される。この信頼区間幅 $x_n = \text{UCB}^*_n - \text{LCB}^*_n$ が、入力として与えられた許容誤差 $y$ 以下になった場合に、ノードペア $n$ は発見済みであると見なす。すなわち、発見条件は以下のように表される。
 \begin{align}
 \begin{align}
-    n \in S_{\text{sel}} \iff (\text{UCB}^*_n - \text{LCB}^*_n) \leq
-    x_{\text{thresh}}(y)
+    n \in S_{\text{sel}} \iff (\text{UCB}^*_n - \text{LCB}^*_n) \leq y
 \end{align}
 \end{align}
-この条件は、推定忠実度 $\hat{f}^*_n$ が、十分に信頼できる精度で確定し
-たことを意味する。
-
-本問題の目的は、総測定コストが与えられた予算を超えないという制約の下で、
-発見済みの通信経路から得られる価値の総和を最大化することである。あるノー
-ドペア $n$ が発見されたとき、その経路から得られる価値は、経路の重要度
-$I_n$ と、その経路で利用可能な最良リンクの推定忠実度 $\hat{f}^*_n$ の
-積 $I_n \hat{f}^*_n$ として定義される。したがって、本問題は、発見済み
-の集合 $S_{\text{sel}}$ に含まれる全てのノードペアの価値の総和を最大化
-する問題として定式化される。
-
-以上の目的と制約をまとめ、本研究が取り組む最適化問題を定義する。各リン
-ク $l_{nj}$ の忠実度推定に要した測定コストを $\text{Cost}(l_{nj})$ と
-すると、問題は以下のように記述される。
+この条件は、推定忠実度 $\hat{f}^*_n$ が、$\delta$ の信頼度の下で十分に信頼できる精度で確定したことを意味する。
+
+本問題の目的は、総測定コストが与えられた予算を超えないという制約の下で、発見済みの通信経路から得られる価値の総和を最大化することである。あるノードペア $n$ が発見されたとき、その経路から得られる価値は、経路の重要度 $I_n$ と、その経路で利用可能な最良リンクの推定忠実度 $\hat{f}^*_n$ の積 $I_n \hat{f}^*_n$ として定義される。したがって、本問題は、発見済みの集合 $S_{\text{sel}}$ に含まれる全てのノードペアの価値の総和を最大化する問題として定式化される。
+
+以上の目的と制約をまとめ、本研究が取り組む最適化問題を定義する。各リンク $l_{nj}$ の忠実度推定に割り当てられた測定回数を $a_{nj}$、測定1回あたりのコストを $c_B$ とすると、問題は以下のように記述される。
 \begin{align}
 \begin{align}
-    \text{maximize} \quad & \sum_{n \in S_{\text{sel}}} I_n
-    \hat{f}^*_n \label{eq:objective} \\ \text{subject to} \quad &
-    \sum^N_{n=1} \sum_{l_{nj} \in L_n} \text{Cost}(l_{nj}) \leq
-    C \label{eq:constraint1} \\ & n \in S_{\text{sel}} \iff
-    (\text{UCB}^*_n - \text{LCB}^*_n) \leq
-    x_{\text{thresh}}(y) \label{eq:constraint2}
+    \text{maximize} \quad & \sum_{n \in S_{\text{sel}}} I_n \hat{f}^*_n \label{eq:objective} \\
+    \text{subject to} \quad & \sum^N_{n=1} \sum_{j=1}^{|L_n|} a_{nj} c_B \leq C \label{eq:constraint1} \\
+    & n \in S_{\text{sel}} \iff (\text{UCB}^*_n - \text{LCB}^*_n) \leq y \label{eq:constraint2} \\
+    & \hat{f}^*_n = \max_{j \in \{1, \dots, |L_n|\}} \hat{f}_{nj} \label{eq:constraint3} \\
+    & 0 \leq \text{LCB}^*_n \leq \text{UCB}^*_n \leq 1 \label{eq:constraint4}
 \end{align}
 \end{align}
-ここで式(\ref{eq:objective})は最大化すべき目的関数、式
-(\ref{eq:constraint1})は総測定予算に関する資源制約、式
-(\ref{eq:constraint2})は通信経路の発見条件を示す。この定式化は、単に最
-も忠実度の高いリンクを見つけるだけでなく、それがどれだけ重要かという側
-面を同時に考慮するものである。
-
+ここで式(\ref{eq:objective})は最大化すべき目的関数を示す。式(\ref{eq:constraint1})は総測定予算に関する資源制約、式(\ref{eq:constraint2})は通信経路の発見条件である。式(\ref{eq:constraint3})は推定の一貫性、すなわち各経路で選択される忠実度はその経路内で最大のものであることを保証する。式(\ref{eq:constraint4})は忠実度とその信頼区間が満たすべき境界条件を示す。
 
 
 
 
 \section{提案手法 : 二段階貪欲法(Two-Phase Greedy)による資源配分}
 \section{提案手法 : 二段階貪欲法(Two-Phase Greedy)による資源配分}